今年はその集まりが鎌倉で開かれた。当時の同人も皆70歳、古稀を迎えた者も多い。これが最後の集まりと、とても和やかな雰囲気であった。
ちなみに小生の文芸批評は「北村透谷と樋口一葉の比較研究」というテーマであったが、発表する前に雑誌が廃刊となり未発表に終わった。何度かの転居を重ねるうちに原稿は失われ、「幻の論文」と同人たちには言われている。
そして、この同人の顧問をされたのが、国文科の故・暉峻康隆(てるおかやすたか)教授であった。以前も紹介したように、暉峻教授は小生が立ち上げた「日本ほろよい学会」の名誉会長を務められ、俳人・桐雨として活躍された。その桐雨先生のユニークな句を思い出し、同人の時代を懐かしむ。
「もがれても手をつないでさくらんぼ」
「走り梅雨晩酌少しあたためん」
「五月場所通しのそら豆みずみずし」