2015年04月07日

長寿社会

平成17年、河辺・雄和町は秋田市に編入合併。それを機に、秋田市河辺地区・同雄和地区となった。私が秋田市長だった当時、河辺・雄和両町はその特色を生かして自立するのがベストと考えていたこともあり、合併に向けた協議はまだ始まっていなかった。秋田市が両町の吸収に向けて大きく舵を切ったのは私の辞任後、佐竹市政になってからである。

秋田市への編入に際して、両町当局は「寄らば大樹の陰」と説き、「このままでは町財政がもたない」と町民の不安を煽ったようだ。しかし、実際のところ両町民にとってそれが最良の選択だったのかどうか。編入合併から10年が経った今、県都の周辺部として市当局に扱われ、町制時代の独自色もどんどん失われているようにも見える。

本日午後、選挙カーで回ったのはその河辺地区。これまでの選挙で訪れたことのない集落ばかりである。私が秋田市長だった頃は独立した別の町だったため、過去2回の県議選では「縁遠い地区」と思い込んでいた。しかしながら、多くの方が珍客に等しい私たちを歓迎してくれ、あまりの反応の良さにウグイス嬢も驚くほど。変化を求める思いはどこも同じなのだ、と確信する。

その後、遊説隊は市東部へ。ある老人福祉施設を訪ねると、理事長を務める友人が出て来て「いろいろ頼まれているけれども、今回はあなたを全力で応援するよ」と私に耳打ち。また、広面地区では遊説中に古くからの支援者と出会い、一帯の選挙情勢などを事細かに教えていただく。地域に密着したこの種の情報は、やはり年輩のかたでないと分からないものだ。

ちなみに、県議選秋田市選挙区に立候補している16人の中で、最高齢は75歳の私。出馬するにあたって周囲に相談したところ、「年齢がマイナス材料になるのではないか」という意見がずいぶんあった。「もう引退してもいい歳だろう」。今だからいえるが、そうした言葉に少なからず決意がぐらついたのも事実である。

だが、覚悟を決めて立候補を表明した後、同世代からは「石川さんの頑張りは私たちの希望だ」「若い候補予定者の主張を聞くと、暗に年寄りの退場を求めているような気がして、演説会では身の置きどころがない。あなたが立ってくれて良かった」「出馬表明をずっと待っていた」「高齢者の思いを代弁してくれ」などの声が次々と寄せられた。

長寿は悪いことではないし、高齢者の社会参加もむしろ歓迎すべき。老いも若きもいっしょになり、互いを補完してはじめて共生社会は実現するはず。年寄りに何ができる、と自嘲することなかれ。我われはまだまだ現役、若い人たちと共にバリバリ働ける。今回の選挙戦で、それを示すことも大事だと痛感した次第。

本日も夜8時まで宣伝活動を精力的にこなし、保戸野原の町の選挙事務所に無事帰還。明日は朝から新国道に立ち、投票行動の重要性を有権者の皆さんに呼びかけた後、上北手方面に向かう予定となっている。選挙戦は残り4日間。最後の最後まで戦い抜くためにも、栄養と睡眠はたっぷりとらねばなるまい。

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posted by 石川錬治郎 at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | 政治・地域 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石川さんの出馬は、私の希望の星となりました。
「私もまだまだやっていいんだ。私にも、できるかもしれない。きっとできる。」と勇気が湧いてきました。
それに続いたように、100歳のスイマー、欽ちゃんの大学入学。次々と高齢者の挑戦が話題となっており、今夏64歳になる私も、まだ夢を捨てなくていいんだと確信できました。
石川さんも、これが最後と言わず、健康に留意され、現役政治家としての最高齢に挑戦していただきたいです。
選挙戦も今日一日。
私も宣伝部員となって、投票を呼びかけます。
勝利を確信して頑張りましょう。
Posted by 門間幸子 at 2015年04月11日 08:44
門間様。熱烈な応援メッセージに心より感謝申し上げます。今回は同世代のかたから励ましを多数頂いております。私たちはまだまだ現役世代、できることはたくさんあります。私も挑戦を諦めず、信じる道をひたすら突き進む所存です。
Posted by 石川錬治郎 at 2015年04月11日 14:10
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